六号雑感

日々のアレやコレを適当に

椎名林檎を語らせてくれ

昨日ぼんやりと椎名林檎のおかげで中学時代死ななかったなってtwitterで呟いたんですけど、その流れで林檎好きの友人の熱い「椎名林檎感」を聞くことに成功しまして、その返信として私も自分の林檎感を書いたら思いの外長く、そして気持ち悪くなったのでせっかくなのでこっちにも載せようと思います。

 中学1年から椎名林檎を聴き続けた28歳の激エモ文章です。ツイートの誤字や間違いは修正したつもりです。なんと15年以上聴いているのに曲名を間違えていて死にたくなった。 

 

 

これから書くことは、すべて誇張なしに私がそう思っていると捉えてください。一ファンのためにヨイショしているわけでは全くありません。椎名林檎がサービス精神の塊であり、表現に自我が一切無いのは私も同意見です。私は林檎嬢のことをアーティストの枠を超えた最高のエンターテイナーであると思っています。(それは五輪閉会式の演出で完全に証明されたと感じています。)それに加え、その圧倒的な完成度の彼女の世界に心を掴まれる人、救済される人々が多く存在しています。自分の私生活を切り売りする曲を作らない彼女の作品にです。それはとても恐ろしいことであり、彼女が今現在の地位にいる大きな理由だと思っています。

 

初期(1st~2ndアルバム)の彼女と中学の私の話をさせてください。この頃の彼女の曲は今よりももっとエモいですよね。私が初めて聞いた彼女の曲は2ndの1曲目である「虚言症」でした。2001年当時、中学1年の私はJ-popがとても苦手で、音楽が好きじゃなくて、でもずっと嫌いなピアノ教室をやめられない人間でした。自分の見るもの聞くものすべてが信じられず、でも誰にも助けを求められず、誰にだっていい顔をしようとする。自分の周りで起こった悪いことはすべて自分のせいだと思い、毎日死ぬことばかり考えては、そんな勇気もない。そんな中、父親のCD棚にあった勝訴ストリップの初回限定版を勝手に借りて聴きました。ドキドキしながらスリーブからCDを取り出し、歌詞カードを手に取った時、紙の質感やデザインの美しさに驚き、そして曲を聴き始めた時に期待以上の曲が流れ始めた時!一瞬で彼女が私の信仰になりました。流れる曲も、彼女の声も、そして詞も、そして彼女の必死さも、全てが私を包んでくれたのです。アルバムの最後まで、歌詞カードを持ちながら幸福に包まれました。次の日から地元の本屋に行き、あるだけのCDを買い集めました。お金が足りなかったので、おこずかいをもらえるたびに手元にCDが増えました。彼女のエモーショナルさに胸が打ち震える日々でした。中学生のころは毎日ずっとずっと彼女の曲しか聴いていませんでした。そして、今を耐えればきっといいことがあると信じることができました。

 

決して私は彼女の曲に対し必要以上に自己を投影したことはありません。彼女は当たり前のように私に寄り添うような曲を作っていたのです。私に彼女が歌うような失恋の経験もありませんし、百道浜にも行ったこともありません。ですがふと詞にに現れるワードに心がつかまれ、美しい和音に胸が苦しくなります。pvを見てはこの美しい世界にずっといたいとさえ思いました。こんな経験をした人が数多くいることが、一ファンとして私の誇りです。

 

彼女の素晴らしいところは、〇〇さんの言う通りそれで終わらなかったことです。

3rdアルバムと短編映画、ソロ休止後からの東京事変、どんどん洗練され、新旧問わず様々なカルチャーを吸収し、着実に彼女の世界が広がっていくのを肌で感じました。音楽のことは何一つわからない私でも、その一つ一つがその時の彼女の全力であること、妥協が見られないことは聴いていればわかります。初期の曲を聴いてはたくさん救われてきましたが、近年の楽曲は映画のように私を楽しませたと思えば初期とはまた違った抱擁力で私を包みます。彼女はどんどん己を拡張している!

 

今の彼女は女優であり、プロデューサーであり、芸術家です。作品毎に彼女は表情を変え、様々な女性に変身し、それらを完璧に演じきり、自己をコントロールする。曲やビジュアルの隅から隅まで彼女の息が吹きかけられ、他者を絶対に納得させる力を持つ。いつの間にか彼女は恐ろしい域に到達していました。

当初彼女のエモさに心を奪われただけの私に、たくさんの世界を見せてくれました。音楽の素晴らしさ、美しさ。映像や様々なカルチャーを彼女を通して知りました。少なくとも彼女は私の中ではアーティストという枠では収まりません。私の命を救ってくれた人、美しさを教えてくれた恩師、これからどんな世界を彼女が見せてくれるのかがとても楽しみです。

 

〇〇さんの椎名林檎感を聞きたいと思ったのは、私は他の彼女のことが好きな人が、彼女のことをどう思っているのかを聞いたことが無かったからです。私は中学からずっと彼女を追い続けていますが、常に全力で彼女を見ていたわけでは無い。恥ずかしながらライブにも行ったことがありません。自分がちゃんと彼女のことを認識できているのかが気になりました。(念のため、毎日何らかの彼女の曲は聴いてはいます…。)結果として、私が感じていることは間違っていなかった!そして、彼女のことをこんなに好きな人がいる!!というのがとても嬉しかった。〇〇さんの林檎感を聞くことができて本当に良かったです。感謝してもしきれません。ありがとう。想像以上にエモさが爆発しました。

 

 

 

この後友人とは一緒に林檎嬢のライブに行く約束をしました。