六号雑感

日々のアレやコレを適当に

2016年に観た映画の総括をします

久々の更新ですが、今年観た映画の話をさせてください。あとですます調が1番書きやすかったので今回から変えています。

年末のこの時期はその年に観た映画の総括を考えながら過ごすんですけれど、まず今年はあまり新作の映画に触れなかったな、、、と反省しています。

理由として「シン・ゴジラ」の予習/復習としてhuluに登録したところ、旧作映画が面白すぎてその時期はほとんど映画館には行かなかったこと、怪獣映画(平成ガメラシリーズ)ばかり見ていたことが挙げられます。

また、「21ジャンプストリート」にハマってしまったのでチャニング・テイタムジョナ・ヒル出演作品ばかり観ていたのもあります。勿体無いことに「21ジャンプストリート」は日本では劇場公開もされずにDVDスルーとなってしまい、あまり観ている人も少なく布教したいので後述します。あと「平成ガメラ」も。

 

今年劇場で観た映画で特に印象的で満足を得られたのは下記の5本かなと思います。中には昨年公開もあるけれど、今年観た映画なので多めに見ていただきたい、、、。

※ローグワン(SW)は好きすぎるので割愛しています

 

ブリッジ・オブ・スパイ(監督:スティーヴン・スピルバーグ

クリード チャンプを継ぐ男(監督:ライアン・クーグラー

シン・ゴジラ(監督:庵野秀明

この世界の片隅に(監督:片渕須直

◯エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に(監督:リチャード・リンクレイター

 

 

 

簡単に総括すると今年の映画は「自分がどこに属しているのか、何者であるのか、それは誰が、あるいは何が決めるのか」を考えさせるものが多かったです。

 

ブリッジ・オブ・スパイ

あらすじ:アメリカとソ連が一触即発の冷戦状態にあった1950~60年代。ジム・ドノヴァンは、保険の分野で実直にキャリアを積み重ねてきた弁護士だった。ソ連のスパイの弁護を引き受けたことをきっかけに、世界平和を左右する重大な任務を委ねられる。それは、自分が弁護したソ連のスパイと、ソ連に捕らえられたアメリカ人スパイの交換を成し遂げることだった。良き夫、良き父、良き市民として平凡な人生を歩んできた男が、米ソの戦争を食い止めるために全力で不可能に立ち向かっていく!

(公式サイトより引用)

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アメリカ大統領選を控えていた時期に観た「ブリッジ・オブ・スパイ」。「国家とは何か」「法、人権を守ることとは」「法の外に置かれた何者でもない存在はどうすべきなのか」を観客に問います。アメリカという多民族国家の話ではありますが、日本という島国に生まれた自分という立場について考えさせられた作品でした。そして映画の楽しさ、面白さを改めて感じた1本でもあり、1年間何かの折にこの作品についてずっと考えていました。堅苦しいテーマなのでなかなか手に取りにくいとは思いますが、本編はそこまで難しい作品ではありません。娯楽作品としてもとても楽しかったです。おそらく私の中では今年1番愛着のある作品です。

 

クリード チャンプを継ぐ男

あらすじ:かつてボクシングヘビー級にロッキー・バルボアとアポロ・クリードという2人のチャンピオンがいた。アドニス・ジョンソンはアポロ・クリードの息子であるが、愛人との間の息子であり、さらには生まれる前に父・アポロはリング上でこの世を去ったため、彼は父親のことをあまり知らなかった。しかし、ボクサーとしてのアポロの血は、アドニスにも受け継がれていた。実母の死後、里親や施設を転々としていたアドニスは、アポロの本妻メアリー・アンに引き取られた。アドニスは何不自由なく暮らすようになり、就いた仕事も若くして昇進するほどの有能ぶりを発揮していたが、父と同じプロボクサーの道を進むため、仕事を辞めて家を離れていく。そして、フィラデルフィアへと向かい、そこで余生を送っていたロッキーを訪ねる。父・アポロのライバルであり親友だったロッキーにアドニスは、自分のトレーナーになってほしいと頼み込む。ロッキーは最初断るものの、アドニスに偉大なボクサーの素質を感じ、その依頼を引き受けるのだった。

Wikiより引用)

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若くして昇進するほどの有能な青年でありながら、父親と同じプロボクサーの道を選び、父親のライバルであり親友のロッキーに師事しやがて勝利の一歩を進みだすアドニス。「自分が何者になりたいのかは自分自身が決め、自分の手で未来は掴み取ること」を熱い涙とともに印象づけた「クリード」。

大変アガりました。ロッキーを知らなくてもめちゃくちゃ楽しめます。これから何者かになっていく、目指していく人こそ観るべき作品です。この作品に対して細かいことをいうのは野暮な気もしますのでとりあえず今日も「クリードはいいぞ…!」と布教し続けます。いいから見ろ。今ならコンビニで1000円で売っているぞ。アマゾンプライムもあるぞ。

 

 

シン・ゴジラ

(長いのであらすじ省略)

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シン・ゴジラ」は今でこそ「蒲田くん」や「内閣総辞職ビーム」といったネタに溢れ、特に映画や特撮が好きな人でなくても愛される1本という感じではあるので別に私が挙げなくてもいいかな、とはちょっと思います。とは言え、怪獣映画としてではなく「震災映画」として「わたしは2011年3月11日に確かに被災者だった」ことをはっきりと思い出させた作品であるのです。

私は海沿いではありませんが宮城に住み、あの日被災しました。雪の降っていた日、下宿先に残っていた人たちと不安に包まれながら身を寄せ合って夜を明かし、かすかな食料を買うために開店前からスーパーやコンビニに並びました。近所の建物もいくつか倒壊しましたし、電気もガスも通らず、ガソリンも手に入りにくかった。その後1年くらいはずっと復興関連のボランティアをしていました。

まだ復興は終わってはいませんが、私の生活はすっかり落ち着きをとりもどしています。正直、あの揺れの恐怖を忘れかけていました。その記憶を呼び覚まし、生活が崩壊する恐怖や災害を怪獣として顕現した「シン・ゴジラ」はこの先何度も見返す作品でとなるでしょう。また、この作品は私にとって実写作品として庵野秀明氏が社会に認められた作品でもあるので、いち映画監督としての庵野秀明ファンとして嬉しい作品となりました。

 

この世界の片隅に

あらすじ:18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。そして、昭和20年の夏がやってくる――。

(公式サイトより引用)

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この世界の片隅に」は、上で『自分がどこに属しているのか、何者であるのか、それは誰が、あるいは何が決めるのか』と銘打っておきながら、まだ自分にとってどんな映画かを把握できていません。それだけ情報量が多く、作品の中で起こる(あっさりと描かれる)様々な出来事に思い入れがありすぎるからです。今まで3度鑑賞しましたが、1度目はあまりにも苦しくて帰宅後も泣き崩れ、2度目はこれからすずさんに起こる出来事を考えては序盤でニコニコと笑っている彼女に泣き、3度目でようやく終盤の小さな幸福を享受できるようになりました。人によってはクスリと笑える楽しい作品ですし、史実考証がとにかく緻密なので資料としても素晴らしい。ですので単純に泣ける話とも違います。片渕監督が「1945年の呉に生きるすずさんという人を描きたかった」とお話しするように、この作品はすずさんという人の人生の一部を覗かせてくれるものであり、人の人生がどんなものなのかなんてそう簡単に言えないのと同じようにやはりどんな映画かなんて言えないのかも、と思います。

 

◯エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に

あらすじ:野球推薦で入学することになった新入生のジェイク(ブレイク・ジェナー)は期待と不安を抱き、大人への一歩を不器用に踏み出そうとしていた。そう、今日は野球部の入寮の日だ。お気に入りのレコードを抱え、ジェイクが野球部の寮に着くと、4年生のマクレイノルズ(タイラー・ホークリン)とルームメイトのローパー(ライアン・グスマン)から、好意的とはいえない歓迎を受ける。高校時代、イケイケのスター選手だったジェイクに対する先輩方の洗礼だった。しかも寮生活をしている先輩方は野球エリートとは思えない風変わりな奴ばかり。マリファナ愛好者で謎めいていて、「コスモス」の熱狂的ファンのウィロビー(ワイアット・ラッセル)、ノーラン・ライアンの再来を自認する妄想癖の塊、ナイルズ(ジャストン・ストリート)、どうしようもないギャンブル狂のネズビット(オースティン・アメリオ)、噛みタバコ好きで気さくな男だが、寮生から嫌みの“ビューター・パーキンス”という田舎者っぽいあだ名を付けられたビリー(ウィル・ブリテン)。カリスマ性はあるがどこか陰りのある早口のフィネガン(グレン・パウエル)など一筋縄ではいかない兵揃いだ。面倒見の良いフィネガンがこの門限のない素晴らしき世界のツアーガイド役を買って出る。大学を巡るツアーは、当然のように女子寮に行くことから始まる。女の子たちの品定めだ。車で通りかかった2人組の女の子に早速フィネガンがアタック。あえなくフィネガンの強引なナンパは拒否られるが、ジェイクは同じ新入生で演劇専攻のビバリー(ゾーイ・ドゥイッチ)に一目惚れ。彼女もジェイクには好意的だ。先輩の手前、控えめにしていたのが功を奏したのだ。一通りツアーを終えて、寮に戻ったジェイク。しかし、長い入寮初日はまだ終わらない。今度は最高の夜に繰り出すことに。チームのメンバーはタイトなジーンズにポリエステルのシャツを着こんで地元のディスコで夜通しのナイトフィーバー!続いて街で一番のカントリー・バー(ホンキートンク・バー)でカウボーイハット(ステットソン帽)をかぶり、ラインダンスで「コットンアイジョー」を踊りまくった。そして週末にはパンクのライブで初めてのモッシュを体験。自主練の後も、もちろんチームメイトたちとバカ騒ぎ。ジェイクは今までに感じたことのない自由と希望を抱きながら大人の扉を開け、青春を謳歌していた。それは決して長くは続かないけど、人生最高の時の幕開けだった。

(公式サイトより引用)

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さて、何者にもなっていないからこそ楽しく、これからの自分の未来に期待と希望を抱く時期がありますよね。そういう青春の数日間を楽しさとバカ100%で描いたのが「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に」です。大学の寮に入寮したばかりの青年が、先輩たちに大人であることの楽しさについて洗礼を受ける話でしょうか。とにかく最初から最後まで多幸感に溢れ、愛すべきバカしか出てこない。「男子高校生の日常」という漫画がありましたがあれのメリケン体育会系男子大学生版といった感じの印象です。ここまでバカでハチャメチャやった青春を過ごした人はそうそういないかと思いますが、かつて友人とバカやってた時期を思い出しつつもニヤニヤゲラゲラできます。

 

 

見逃してしまった映画もたくさんありました。

特に、それこそ邦画の「何者」は今年観るべき映画だったと猛省しています。

見逃してしまった映画を確認すると邦画がとても多かったです。今年は久方ぶりに本当に面白い邦画が多かったのでとても悔しいですね、、、。

 

 

また上記5本以外に好きな作品として「ヘイル、シーザー!」や今年公開でも無くレンタルではありますが「21ジャンプストリート」「22ジャンプストリート」は挙げておかねばなりません。

 

ヘイル、シーザー!

あらすじ:1950年代、テレビの台頭に危機感を抱いたハリウッドは、命運をかけた歴史スペクタクル超大作映画「ヘイル、シーザー!」の製作に乗り出す。ところが、その撮影中に主演俳優のベアード・ウィットロックが何者かに誘拐されるという大事件が発生する。映画スタジオ内で起こるどんなトラブルにも対応する汚れ仕事請負人エディ・マニックスは事件解決に向けて動き出すが、その行く手で様々な騒動が起きる。

Wikiより引用)

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ヘイル、シーザー!」は誰かに勧めるのが難しい作品です。1950年ハリウッドの時代背景や映画知識が無いとそれぞれのシーンがどういう意図なのかがはっきりわかりませんし、知識があったとしても作品自体が見せ場に向かっての盛り上がりがそれほど強くない、そもそも人を選ぶ作品なのです。日本版予告編も信用できないヤツでしたしね。人を入れるためとはいえ、違う映画のように宣伝するのは頂けません。それでも50年代ハリウッドの豪華絢爛なシーンの数々や巨匠コーエン兄弟らしいユーモアに溢れているので知識が無くともコメディ映画としてはそれなりに楽しめます。間違っても日本版予告編の通りに受け取って「オーシャンズ11」みたいな作品だと思わないでくださいね。

詳しい解説は町山智浩さんの映画ムダ話を聞くのが1番良いと思います。

なんというか私は「その映画を楽しむために勉強するのが好き」な奴なので勉強し甲斐のあるこの作品について触れる時間がめちゃくちゃ楽しかったです。それでいてこの作品はコーエン兄弟の映画愛に溢れている。ついでに言えばこれから話す大好きなチャニング・テイタムジョナ・ヒルが出演している!!そんな作品に対して時間をかけることができる、というのがとても幸福な時間でした。

 

あと、今年後半は完全に「21ジャンプストリート」及び「22ジャンプストリート」、ついでに「平成ガメラシリーズ」に支配されました。

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昨年あたりに音楽ジャーナリストの高橋芳朗氏が激賞していたのをなんとなく覚えていて、近所のゲオにひっそりと置いてあったのを発見しました。DVDジャケットからほとばしるバカ映画感についニッコニコになりました。お話しとしてはダメダメな新米警察2人組(脳筋ジェンコと勉強はできるアホのシュミット)がドラッグの密売が横行する高校へ潜入捜査するというものです、続編は大学に潜入します。もちろんコメディです。

コメディ要素の部分だけでもめちゃくちゃ面白いのですが、特に「21」は後半の展開がとても気持ちが良い。映画の構成やベタな展開を逆に利用しての後半の畳み掛けはとても素晴らしいです。ラストの成長したシュミットに「おめでとうダチ公!!」と言ってやりたくなります。観終わる頃にはジェンコとシュミットは大事な友人です。彼らに会いたくなったら21ジャンプストリートを観る、もしくは彼らの他の出演作品をチェックしては「21や22ではあんなにおバカだったのに。。。」「やっぱりお前はバカなんだな。。。」と勝手に感慨に耽る、そんな年でした。良い友人ができたという感覚はそれはとても大事なことです。

マジでどうでも良いですが同居人に関してはチャニング・テイタムに触発されて筋トレを始めました。

チャニング・テイタムは来年公開予定の「キングスマン2」にも出演しますし、これから日本で人気がでればいいなと思います。

 

平成ガメラシリーズについては「シン・ゴジラ」があまりにも凄すぎて過去の怪獣映画を見直し始めたのがきっかけでした。平成ゴジラシリーズを観ていく中、どんどん「売れる要素」「名所巡り」「脚本の粗雑さ」ばかりが目立つようになり、ついでに「ゴジラというものの扱い」にも疑問が出始め、観ている自分が疲弊しきった後に(デストロイアならなんとかしてくれると思ったがちょっとダメだった)、「ガメラ 大怪獣空中決戦」を改めて見たんですよ。すると作品のクオリティが全然違う、、、すごく楽しい、、、。

大きく違う点は「人間側から見た怪獣を仰ぎ見るショット」「ヒトとは違う異種生命体としての戦い」「人間側、近代兵器の扱い」「ストーリーの丁寧さ、緻密さ」あたりでしょうか。平成ゴジラシリーズでも異種生命体としての戦いはかなり意識され、プロレス感はだいぶ薄くはなっていますがガメラシリーズは更にブラッシュアップされています。改めて平成ガメラシリーズが驚異的な作品であることに気づかされました。特に「異種生命体」「人間側、近代兵器の扱い」あたりは続編の「ガメラ2 レギオン襲来」は更にアップデートされています。それに加えて「SFとしての面白さ」も目を見張るものがありました。「シン・ゴジラ」を含めても「ガメラ2」は個人的には傑作であり、日本映画至上に残るSF作品かと思います。そんな面白いもの見たら毎日見ますよね、だって家にはhuluがあるんだ!軽い気分で毎日ガメラ漬けです。さすがに毎日は見なくなりましたが未だにそんな感じです。あと平成ゴジラに対しても疲弊はしたものの、愛着はあります。ベビーゴジラ(notミニラ)は可愛すぎてソフビ買いました。

因みにガメラシリーズで個人的には「ガメラ3 邪神<イリス>覚醒」がとても好きです。ガメラ2には作品の出来として及ばないかもしれませんし、もしガメラ4が制作されていたら、、、とも思いますが、やはりラストの火の海となった京都でのガメラの咆哮はとても胸に来るものがあります。そろそろブルーレイ買わなきゃ。。

 

 

ちなみに来年以降あるといいな~と思う映画の展開ですが「グレムリン3」で前作2にてせっかく改心したのにまた悪人に戻っちゃった上に大統領になったクランプとか観たいですね。無いかな。無理だな。

そうでなくとも金持ち大統領が出るコメディ映画は増えそうな気がします。

 

今のところ公開が控えている作品として「LA LA LAND」「王様のためのホログラム」「ブレードランナー2049」が楽しみですね。日本では上映がまだ未定ですが「ハクソーリッジ」も。

 

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